第18話 警察署での出来事(1/3)署内編~ハァ!?私が悪いってなに!?~

交通事故体験記

前回(第17話)の記事はこちら

前回(第17話)のあらすじ
  • 地元の病院に2回目の通院に行った
  • 3割負担の保険診療へ切替希望するも、うまく対応してもらえず
  • 実況見分のため警察訪問の日時アポが取れた

警察からは事故翌日の電話にて、実況見分のために後日警察署まで来てもらうという話は聞いていました。
自宅から事故を担当している警察署は滅茶苦茶遠いので、自分の中では優先度が低かったのですが、弁護士から「一刻も早く警察署に行って人身事故として扱ってもらうべき!」というコメントを受けて弁護士面談の翌日にアポを取り、そのさらに翌日に実際に行くことになった際の記録です。

長くなるので複数回に分けて書いていこうと思います。

事故後に実況見分のため警察に呼び出された。事前の準備は?

通常は、特に準備は必要ないようです。

当日の状況を正確に警察に伝えればいいわけです。

そう、通常は。

・・・が!しかし、私の場合は重要な任務があります。

「事故当日のコンビニ駐車場の防犯カメラの映像をこっそり撮影する」

ことです。

念のため、警察とのやり取りを記録するためにICレコーダーも準備します。

というわけで準備すべきものは、

●使っていないスマホ(こっそり撮影するために)

です。

ICレコーダーは、弁護士のヒロくんが言うにはそんなに強い証拠ではないということなので

使わないことにしました。

充電が十分にあることや、録画テストも事前にしておきます。

使っていないスマホがあるので、これをこっそり撮影に使うべく、ジャケットの胸ポケットに入れた時にちょうどカメラの部分が上に飛び出るようにポケットに詰め物をして高さ調整をしておきます。
さらにうまく映るかどうかの録画チェックも重要です。

とりあえず、映ることが確認できました。

が、心配は録画ボタンをうまく押せるかなぁ・・・ということ。

流石に、警察署に入る前から録画を開始してしまうと、発熱で途中で止まってしまったり、バッテリー切れの心配もあります。
防犯カメラ映像が登場した時、うまく録画ボタンを押すことができるのだろうか・・・そこだけが心配です。。。

警察署に到着した

警察署へ訪問する予定時刻は朝の9時です。
警察署は最寄駅から距離があるので、余裕を見て8時半には最寄り駅に着く必要があり、家を出たのはなんと6時台・・・。はぁ、交通事故に遭うと大変だなぁ。。。

予定通りの電車に乗って、警察署に着いたのは9時ちょっと前です。

警察署の手前で、動画撮影用のスマートフォンを確認、準備します。

あぁ、やだなぁ、、、緊張するなぁ・・・。

もう9時になるので、覚悟を決めて警察署に入ります。

受付で自分の名前と、交通事故担当の警察官に用事があって来た旨を伝え、しばらく待ちます。

すると暫く待たされた後に、当日からお世話になっている今回の交通事故担当の警察官がやってきました。エレベータで上の階に一緒に上がっていき、部屋に入ります。

警察署のフロアの様子

ドアを開けて部屋に入るとそこは普通の企業のオフィスフロアみたいな感じでした。

事務机を並べた島が何個かあり、それを見渡すような位置に部長が居るような机が置いてあり、実際に白髪交じりの気難しそうな警察官が座っています。多分、えらい警察官なんでしょう。

てっきり、会議室みたいな個室で話をするかと思いきや、そのオフィスフロアの真ん中あたりに設けられた簡易的なテーブルの所に案内されます。
そこにはパイプ椅子が置いてあり、そこに座るように言われました。

え?ここでこれから話をするの!?

というのが、正直な感想です。
そのテーブルをはさんだ向かい側に担当の警察官が座って話が始まりました。

はあ!?私の方が悪いってどういうこと!!!!

周りは警官ばかりであまりいい気分ではありません。
完全なアウェイ感の中、話が始まりました。

担当警察官
担当警察官

今日はお忙しい所、遠いところまで来ていただきすみません。

まぴお
まぴお

いえいえ、こちらも急に予定を立ててお願いしてしまって。

しばしの沈黙の後、さっそく警察官が本題を切り出してきます。

担当警察官
担当警察官

あの、この交通事故の原因ってなんだと思います。

まぴお
まぴお

えーとですねぇ、相手が出てくるのが急すぎたかなっていう印象はちょっと持っているんですけど。。。まぁ、これで私の側がスピート出し過ぎなら話は別ですけど、法定速度内だったわけで、そうすると、ちょっと相手にびっくりしたという感じでした。

担当警察官
担当警察官

ふむ、なるほど。

ここで、紙に図を書きながら当日の状況を説明していきました。

まぴお
まぴお

こちらとしては、まさか車が一時停止もせずに出てくるとは思わなかったです。
こちらは国道と言う、駐車場側からみれば優先度が高い道路を走っていたわけなので・・・。

担当警察官
担当警察官

相手の車、左折自体は完了してるんですよね。
そうすると相手の車が左折を完了する間に、まぴおさんは避けられたんじゃないんですかね?ということなんですよ。

まぴお
まぴお

ふーん・・・。(え?なんか嫌な感じだ・・・)

担当警察官
担当警察官

まぁ、相手の車が左折途中に側面などにぶつかったならまだしも。
相手が左折を完了して、車の後ろにぶつかっているので・・・。
まぁ、今回はまぴおさんの方が注意点が多かったんだろうな、という。

まぴお
まぴお

え、え・・・。(絶句)
いわゆる、路外進入という、国道に面したコンビニの駐車場から、国道に出る車が一時停止もせずに出なかったから、国道を法定速度で走る私は避けられないという印象を持っていたんですけど・・・・。

担当警察官
担当警察官

まぁ、今回、まぴおさんが怪我をしているのでそこは気の毒だと思いますけど、相手の方に不注意があったというには、難しい部分があるのかなと思いますよ。

まぴお
まぴお

・・・。(絶句)
ただ、私は無灯火でもスピード超過でもないですし、左折が完了という定義はよく分かりませんが、駐車場を出て本当に1メートルとかすぐのところでぶつかったので、避けようがなかったのかなと・・・。

なんということでしょう。。。
警察は完全に私の方が悪い、という感じで話をしてきたのです!!

普通に考えて、国道に面するコンビニ駐車場から一時停止もせずに出た車よりも、国道を法定速度で走っていたバイクの方が悪いなんてことがあるのでしょうか・・・。

相手を罰したいという気持ち??

ここで、話が別の方向に進んでいきました。

担当警察官
担当警察官

あの、まぴおさんが、相手を処罰して欲しいとかそういう感情があるかどうか、なんですけどね。

まぴお
まぴお

!?ん?それはどういう意味ですか??
私、その、よく仕組みを分からないくて、どういう意味か分からないのですが。。。

担当警察官
担当警察官

要は、過失致傷と言って、車を運転して怪我をさせてしまいました、という法律に基づいて相手を処罰したいか、ということです。
ただ、まぴおさんも、怪我をされている側とは言え、道路交通法では安全運転義務違反にあたるんですよ。

まぴお
まぴお

え・・・。
そ、それはどういうことです?私はスピード違反でもなく、無灯火でもなく、何が悪かったんでしょう・・・。

担当警察官
担当警察官

まあ今回の場合ですと、前方不注意だとか、車の動きをよく注意して観察していなかったとか。

まぴお
まぴお

・・・・。

担当警察官
担当警察官

今回怪我をしたのが、まぴおさんなので被害者という立場にはなりますが、どちらが不注意だったのかという点に関しては、まぴおさんの方が不注意な点が多かったということになってしまいますね。

まぴお
まぴお

え!!そうなんですか!!?

担当警察官
担当警察官

相手は左折完了してましたからね。曲がってから、結構時間があったので。

まぴお
まぴお

ええ!!そんなに時間ありました??
それ、防犯カメラ映像があるなら、実際に映像観て判断してもらいたいのですが!

担当警察官
担当警察官

うーん、その映像みたら、その、まぴおさんのブレーキ掛けるタイミングが遅かったのかなと。

まぴお
まぴお

うーん、そうなんですか・・・。
私の方が注意すべき点が多いとおっしゃいますが、相手は駐車場から国道に出ようとしたわけですよね。相手は、国道を確認して、車やバイクが来てないか、を注意する義務がありますよね。そっちの方が注意義務が重くないですか!?

担当警察官
担当警察官

相手の車の運転手は、ちゃんと確認したと言ってるんですよ。

まぴお
まぴお

いや、そりゃ、相手加害者は確認したというでしょうけど。。。

ウワァ・・・最悪ですよ。。。
なんで私の方が悪いってなるのですか・・・。

もう、怒りを通り越して、茫然自失ですよ。

ただ忘れてはならないのは、今回の目的は何としてでも人身事故として扱ってもらうこと。
そのためには診断書を警察に提出(=警察に受け取ってもらう)しなければなりません。

ここで警察を言い合って心証を悪くしてはいけません。
憤りの気持ちを心にしまい込みます。

うぅ・・・今日の目的は人身事故扱いなんだ、、、。押さえろ、押さえろ・・・。
自分に何度も言い聞かせます。

診断書を受け取ってもらえない・・・でも人身事故扱い?

少しの沈黙の後に警察官から、別の話題が振られました。

担当警察官
担当警察官

あの、相手の車の運転手の連絡先を先日お伝えしましたが、その後お話しなどされましたか?

まぴお
まぴお

いや、まだしてないです。
一応自分の任意保険の会社の方からも当事者同士で話を進めないで下さいと言われていましたので。
相手からも連絡はまだ来ていないです。

担当警察官
担当警察官

そうですか。
えっと、診断書見せてもらっていいですか?

まぴお
まぴお

あ、はい。

ここで警察官、私が提出した診断書を色々見ていました。
手に取って一通り確認した後・・・。

うわぁ~~まさかの、警察官、診断書を受け取りません!!!

再び私の前に置きました。

まぴお
まぴお

ちょ、え、っとこれは出さなくても・・・?

担当警察官
担当警察官

いや、えーと、これから話しますが。
それは、相手を処罰する意思があるかどうかなんですよ。

まぴお
まぴお

はぁ・・・(ファ!?どういう意味だ・・・)

担当警察官
担当警察官

ただ、人身事故としては扱っていますので。

ん!?人身事故としては扱っていると言ったぞ!!
本当なのか!?最初は物損事故で処理しようとしていたのに。

それに、人身事故というのは診断書を必ず出すものではないのか?

まぴお
まぴお

・・・ん?え?(ちょっとどういう意味なのか分からず)

担当警察官
担当警察官

ウチの警察限りの事故として扱うこともできますよ。検察庁とかには送らないで。そうすると人身事故として登録していますので、人身事故として証明は出せますので。

ん?え?そうなの?
そしたら、とりあえず今日の第一の目的である、

「人身事故として扱ってもらう」

は達成したと考えていいのだろうか。
そしたら、あとは下手に反論などして心証を悪くしないように注意してこのまま何事もなかったように終わらせられれば良いのか!?

そうなると、別に相手を処罰するとかしなくてもいいよなぁ。
連絡先も聞けたし、この先保険でバイクの修理費や怪我の治療費など出してもらえればこちらとしては問題ないし・・・。
処罰するとか、かわいそうだよな・・・。

まぴお
まぴお

えっと、ですね。
私としては相手の方を処罰したいとかそういう気持ちはあまりなくて・・・。

担当警察官
担当警察官

ええ。

まぴお
まぴお

今、病院の治療費を全額自費で払っていて、金額的にも大変で。
なので、私としては相手を処罰するということより、相手の保険会社から連絡を頂いて、治療費の問題などが解決することを、現実的な問題として心配しています。

担当警察官
担当警察官

なるほど。でも、警察としては補償関係については、なんとも言えないんですよ・・・。
警察の捜査と、保険会社のやることと別なので・・・。

まぴお
まぴお

うーむ。。。

担当警察官
担当警察官

まあ、今回人身事故としたんですけど、こちらの警察限りで、処分取らずにできるんですよ。
そしたら、このあと現場行ってもらって、どういう風にぶつかったのかを実況見分やって、上申書を書いて・・・

まぴお
まぴお

ん?なに書?

担当警察官
担当警察官

上申書。

まぴお
まぴお

上申書?

担当警察官
担当警察官

いつどこで、バイクに乗っている時に事故が起こりました、自分がぶつかった原因はこうです、えーと、あと、その他もろもろ書いてもらって、それで終わりにすることができます。人身事故の証明書は発行できますので。

まぴお
まぴお

ふーん・・・。

担当警察官
担当警察官

あとは送致するか、しないか、そういう問題だけですね。

まぴお
まぴお

そうすると、私が今後、補償関係とか保険関係で動くときに、それがマイナスに働くことは無いってことですよね。

担当警察官
担当警察官

それは無いですね。

まぴお
まぴお

実際に人身事故として扱われて、そのあと警察の中でどう扱うかというのは保険会社としては知ったこっちゃないってことですよね?

担当警察官
担当警察官

確かに、保険会社もウチでやってることは気になってると思うんですけど、ウチがこうだと言うのは保険会社には言わないですよ。

まぴお
まぴお

はぁ、なるほど。

担当警察官
担当警察官

まぁ、たまに来るんですよ・・・。

まぴお
まぴお

教えてくれみたいな問合せが?

担当警察官
担当警察官

ええ、だけど警察としては、「人身事故です。時間と場所はこうです。あとはちょっと教えられません。」

あとは、事故証明取って下さい、みたいな?

そういう感じですね。
保険会社の方で調査してくださいという感じです。

まぴお
まぴお

なるほど。
えっと確認ですが、人身事故として扱うけど、その内々に留めるのを、何をしないって言ってましたっけ??

担当警察官
担当警察官

送致はしない。
送致はしないが、人身事故の証明は発行できるという状況です。

まぴお
まぴお

へー。
送致しちゃうと、相手が罰金とか免許の点数とか、そうなる可能性もあるわけですよね。

担当警察官
担当警察官

んー、場合によってはそうなる可能性もありますね。
我々も書類を送って、起訴されるのかどうかそこは検察庁が判断するところなんですよ。

まぴお
まぴお

相手の加害者に処罰とかは興味がないです。
ただ、私がバイクで車に追突した、みたいな形で事故証明書に載ってしまうことはやめてほしいということです。

担当警察官
担当警察官

んー、ただ事故としては追突になってしまうので・・・。
だけど、その時何キロで走っていたとか、そういうことは書いてないんですよ。

まぴお
まぴお

えー!

担当警察官
担当警察官

左折が完了しているところでぶつかっているので、事故の類型としては追突になってしまいます。

まぴお
まぴお

あとはその事故証明書を基に私が個人的に相手の保険会社と交渉なんですよね・・・。
追突ってなると、なんか私が悪いみたいになるのが怖いですけどね・・・。

担当警察官
担当警察官

うーん、それは保険会社とのことなんで警察としてはなんとも。保険会社の見解と警察の見解は違うので。

まぴお
まぴお

追突とだけ書かれると、こっちがスピード違反していたみたいに言われたら困るんですよね。
私は制限速度の50km/hは絶対オーバーしていないという意識はありますので。

担当警察官
担当警察官

今回40~45km/hだと思うんですよ。あの、バイクのタイヤ痕があったんですよ。ぶつかってからバイクを移動させてないですよね?

まぴお
まぴお

ええ、動かしてないです。

担当警察官
担当警察官

制動してからタイヤの痕跡が残るんですよ。そのタイヤ痕から計ってみたら、だいたい40~45km/hくらいかと。正確な数値は分からないですけど。

まぴお
まぴお

ええ、スピード違反は絶対していない自信があるので。

担当警察官
担当警察官

あとは、ぶつかった時の衝撃。もっと早いスピードでぶつかったらもっと車が破損していたはずなので。

まぴお
まぴお

ですよね。だから、事故の証明書に私の方が悪いみたいに書かれてしまうのがつらいです。

担当警察官
担当警察官

悪いとかそういうのではなくて、ただ事故がありましたよ、という証明なので。

どういうことだ。。。
人身事故としては扱うって言ってるから第一目的は達成したはずなんだけど・・・。
上申書とか、送致するしない、とか想定しなかった事案が発生して、正直どうしたらいいのか良くわからん・・・。
私の方が悪いみたいな感じになったらヤバいなぁ・・・。

朝早くから申し訳ないけど、ちょっとヒロ君に確認してみようか・・・。

あの、すみません、9時になったので一本だけ仕事の電話してきていいですか?

ええ、いいですよ。

というわけで、廊下に出てから、弁護士のヒロ君に電話かけてみました。
朝早くに申し訳ないけど・・・。

次回は、警察官の上司登場!?防犯カメラの映像も確認か!?
第19話に続く!!!↓

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